COLUMN
コラム
そばを食べると太る?実はダイエット向きである理由と食べ方の注意点
この記事の監修者
有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
そばはヘルシーなイメージがある食べ物ですが、実際にダイエット中の食事に取り入れられることも多く、その理由が気になる方もいるかもしれません。そばには、一般的にダイエット中に意識されやすい栄養素が含まれており、工夫次第で日々の食事づくりに活用しやすい食品です。一方で、選び方や食べ方によっては期待していた結果につながりにくい場合もあります。
本記事では、そばがダイエット中の食事として注目される背景を栄養面から紹介するとともに、そばを取り入れる際に意識したいポイントや、より満足感を得やすい食べ方のコツをまとめています。
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目次
1.そばは本当にダイエット向き?注意したいポイント
そばはヘルシーなイメージがあり、GI値が比較的低いことから、食生活に取り入れられることが多い食品です。ただし、選び方やトッピング、食べ方によっては、思っていたよりカロリーが高くなる場合もあります。ここでは、そばを楽しむ際に意識しておきたいポイントを紹介します。
- つなぎ(小麦粉)の量
- 揚げ物など高カロリーのトッピング
- そばつゆの使い方
- 食べる量の調整
(1)つなぎ(小麦粉)の量
そばは、そば粉と小麦粉の割合によって、風味や栄養バランスが変わります。一般的な「二八そば」はそば粉8割・小麦粉2割ですが、中には小麦粉の割合が高いものもあります。
小麦粉が多いほど糖質量が増え、GI値やカロリーに影響することがあるため、そば粉の割合を確認しながら選ぶと自分の目的に合わせやすくなります。
(2)揚げ物など高カロリーのトッピング
そば自体はシンプルな食品ですが、天ぷらやかき揚げなどの揚げ物、鴨肉・豚肉など脂質のある食材を組み合わせると、一食あたりのエネルギー量が増えることがあります。食事全体のバランスを考えながらトッピングを選ぶとよいでしょう。
(3)そばつゆの使い方
そばつゆには砂糖やみりんが含まれており、糖質や塩分が気になる方は量を調整することで、味わいとバランスを両立しやすくなります。つけ汁は濃い場合もあるため、軽くつける程度でも十分風味を楽しめます。
(4)食べる量の調整
そばにはさまざまな栄養が含まれていますが、量によってはエネルギーが多くなることもあります。
乾麺100g(1人前)は約281kcalと、ご飯1杯(150g/約234kcal)と大きな差はありません。大盛りやおかわりをすると、その分一食のエネルギー量が高くなるため、自分の体調や活動量に合わせて調整することが大切です。
2.そばがダイエット中に選ばれやすい理由
そばは食物繊維やビタミン・ミネラルなど、日々の食生活で意識したい栄養素を含む食品です。上手に取り入れることで、食事全体のバランスを整えやすい点から、ダイエット中にも選ばれることがあります。ここでは、そばの特徴を4つ紹介します。
- 代謝に関わる栄養素が含まれている
- 食物繊維が含まれている
- たんぱく質を含む主食である
- GI値が比較的低いとされている
(1)代謝に関わる栄養素が含まれている
そばには、糖質や脂質の代謝に関わるといわれるビタミンB群のほか、ビタミンEやマグネシウム、鉄、亜鉛などの栄養素が含まれています。また、ポリフェノールの一種であるルチンも含まれており、栄養面で注目される食品のひとつです。
| 栄養素 | ゆでそば100gあたりの栄養素の量 |
| ビタミンB1 | 0.05㎎ |
| ビタミンB2 | 0.02㎎ |
| ビタミンE | 0.1㎎ |
| 鉄 | 0.8㎎ |
| マグネシウム | 27㎎ |
| 亜鉛 | 0.4㎎ |
(出典:森永製菓「そばの栄養素・タンパク質量を解説。そばと合わせて食べたい食材も紹介」)
そばの栄養素について知りたい方は次の記事も合わせてご覧ください。
▸そばに含まれるビタミンは?成分と効能、効率よく摂るコツを徹底解説
▸そばでルチンを効率摂取!ルチンの特徴とおすすめの食べ方
(2)食物繊維を含んでいる
そばは食物繊維を含む食品で、ゆっくり噛んで食べることで食後の満足感につながりやすいといわれています。食物繊維は腸内環境を意識する人に注目される成分でもあり、日常的に取り入れやすいのも特徴です。
(3)たんぱく質を含む主食である
そばには必須アミノ酸を含むたんぱく質が含まれています。たんぱく質は皮膚・髪・筋肉など体づくりに関わる栄養素のため、ダイエット中でも不足しないよう意識されることが多い成分です。そばは主食の中で、比較的たんぱく質を含む食品として知られています。
(4)血糖値の上がり方がゆるやかとされる低GI食品
そばのGI値は約54とされ、白米(95)やうどん(85)より低い数値と紹介されることがあります。GI値は「食後の血糖値の上昇スピードの指標」であり、低GI食品は食後のリズムを意識したい方に選ばれやすい食品です。
そばのGI値についてさらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
▸そばのGI値は低い!なぜ血糖値を抑えてくれるのかを解説
3.そばをヘルシーに楽しむ食べ方のポイント
そばをより日々の食事に取り入れやすくするための、食べ方の工夫を紹介します。
- そば粉の割合の高いそばにする
- ヘルシーなトッピングにする
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 朝食・昼食として食べる
- そば湯で〆る
(1)そば粉の割合の高いそばにする
そばは、そば粉と小麦粉の配合によって風味や食感が変わります。そば粉の割合が多いほど、そば特有の香りや食感をより楽しめるのが特徴です。
「十割そば(そば粉100%)」はそば粉の風味をしっかり味わえるため、素材そのものの香りを楽しみたい方に人気があります。購入する際は、商品名や原材料欄で配合比率を確認すると選びやすくなります。
十割そばについてさらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
▸十割そばとは?読み方や魅力・二八そばとの違いを徹底解説!
(2)ヘルシーなトッピングにする
そばはアレンジの幅が広く、トッピング次第でさまざまな楽しみ方ができます。野菜、海藻、納豆など、日常的に取り入れやすい食材を組み合わせると、食事全体のバランスも整えやすくなります。
また、わさび・しょうが・ネギ・大根おろしなどの薬味は風味を引き立て、そばの香りをより楽しめます。食材を組み合わせることで、飽きずに続けやすくなるのもそばの魅力です。
(3)ゆっくりよく噛んで食べる
そばはすすって食べるイメージがありますが、ダイエット中はゆっくりよく噛んで味わうことで満足感が高まりやすいといわれています。
よく噛むことで食事のペースが自然に落ち着き、そば本来の香りや歯ごたえを楽しめるようになります。
(4)朝食・昼食として食べる
そばは、体を動かすことが多い時間帯に食べると無理なく取り入れやすい主食です。夕食は人によって活動量が少なくなるため、日中のほうが自分の生活リズムに合わせやすいという声もあります。
そばは比較的ゆっくり消化されるといわれるため、朝食・昼食で食べると食後の満足感を得やすいという点でも取り入れやすい食品です。
(5)そば湯で〆る
そばを茹でたお湯には、そば粉から溶け出した成分が含まれており、とろりとした口当たりも楽しめます。食後の一杯としてそば湯を味わうことで、温かさがほっとした気分を与えてくれるのも魅力です。
そば湯を取り入れると、そばの風味を最後まで楽しめるため、「そばならではの締めの一杯」として親しまれています。
そば湯については次の記事もご覧ください。
▸そば湯を飲む理由とは?そば湯の飲み方・注意点やそば湯の歴史を解説
ヘルシーなそばの食べ方を知って美味しく健康的にそばを楽しもう
ヘルシーなそばの楽しみ方を知って、日々の食事に取り入れてみましょう。
そばは「太りやすい」という印象を持たれることもありますが、選び方や組み合わせを工夫することで、食生活の幅を広げやすい食品です。無理のない食事づくりの中で、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
有喜屋では、手打ちそばやにしんそばなど、素材の持ち味をいかしたメニューを多数ご用意しています。
また、ご自宅でも職人の技を感じられるよう、オンラインストアにて各種そばをご購入いただけます。
ぜひ有喜屋のそばで、そば本来の豊かな風味とともに、日々の食卓をより楽しく彩ってみてください。

