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コラム
そばの鉄分はどれくらい?効率よく吸収する食べ合わせとNG食品
この記事の監修者
有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
鉄分は、女性や成長期の子ども、そして貧血予防を意識する人にとって欠かせない栄養素です。
そんな鉄分を手軽においしく摂れる食べ物のひとつが、健康的な食事として人気の高い そば。毎日の食事にそばを取り入れることで、自然に鉄分を補い、体の元気をしっかりサポートすることができます。
本記事ではそばに含まれる鉄分量や鉄分の種類と合わせて、効率よく吸収するための食べ合わせ、避けたい食品、さらにおすすめのアレンジレシピまで詳しく解説していきます。
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目次
1. そばに含まれる鉄分量
主食の中でもそばは優れた栄養価を持っており、鉄分も多く含まれています。では具体的に含まれる量と種類をみてみましょう。
(1)そばの鉄分量
ゆでたそば100gに含まれる鉄分量は約0.8mgとされています。
(食品成分データベースをもとに作成)
他の主食であるご飯やうどんなどと比べても多く含まれており、そばは鉄分補給に向いている食材であることがわかります。
(2)そばの鉄分は非ヘム鉄
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類あります。
- ヘム鉄:主に動物性食品に含まれる鉄分。吸収率が高い(10~30%)
- 非ヘム鉄:主に植物性食品に含まれる鉄分。吸収率が低い(2~5%)
そばに含まれる鉄分は吸収率の低い非ヘム鉄であるため、そのまま食べるだけでは吸収されにくいことに注意が必要です。
(3)鉄分の一日の推奨摂取量
成人男性の鉄分の推奨摂取量は1日約7~7.5mg、女性は月経の有無によって異なり、月経がある場合は約10.5mg、ない場合は約 6.0〜6.5mgが目安です。
そばだけでは鉄分は不足しやすいので、食べ方を工夫したり、他のメニューで補うなど食事全体でバランスよく摂ることが重要です。
2.そばの鉄分を効率よく吸収する5つの方法
そばの鉄分は非ヘム鉄のため吸収率は低めですが、工夫次第で効率よく摂取できます。ここでは具体的な5つの方法を紹介します。
- ビタミンCと一緒に食べる
- たんぱく質と一緒に食べる
- 有機酸を含む食品と一緒に食べる
- 発酵食品と一緒に食べる
- そば粉の配合量が多いそばを選ぶ
(1)ビタミンCと一緒に食べる
非ヘム鉄の吸収を高める代表的な栄養素がビタミンCです。
そばと一緒にビタミンCを摂ることで、非ヘム鉄もより多く取り込むことができます。
【おすすめの食品】
- 大根おろし
- ねぎ
- レモン
おろしそばなどのメニューのほか、ビタミンC豊富なパプリカやブロッコリーをそばサラダに加えたり、食後にフルーツを食べるのも効果的です。
(2)たんぱく質と一緒に食べる
たんぱく質も鉄分の吸収をサポートするといわれています。
特に動物性たんぱく質(肉・魚・卵)には、それ自体に吸収率の高いヘム鉄が含まれているため、そばの非ヘム鉄と合わせることで、全体的な鉄分摂取の効率が格段にアップします。
そばも質の良いたんぱく質が比較的多い食べ物ですが、さらに動物性たんぱく質や植物性たんぱく質と合わせて食べることで、鉄分の吸収率だけでなく栄養バランスを整えることができます。
【おすすめの食品】
- 卵
- 鶏肉
- 豚肉
- 鴨肉
- 豆腐
鴨南蛮そばや月見そばのように動物性たんぱく質を加えるメニューがおすすめです。また、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質をトッピングするのも効果的です。たんぱく質をプラスすることで、そばの満足感と栄養価を同時に高めることもできます。
(3)有機酸を含む食品と一緒に食べる
有機酸(クエン酸・リンゴ酸など)には鉄の吸収を助ける働きがあるといわれています。
【おすすめの食品】
- 梅干し
- レモン
- 酢
- トマト
食後にリンゴやはちみつレモンなど有機酸を含むフルーツを食べるのも効果的です。
また、リンゴ酸の豊富な白ワインと組み合わせるのもおすすめです。
そばとお酒の相性についてさらに詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。
▸そばと酒は相性抜群!そば前の歴史やそば屋飲みの作法・お酒の楽しみ方
(4)発酵食品と一緒に食べる
発酵食品は、善玉菌が腸内で分解・発酵する際に有機酸を生成します。この有機酸によって腸内が弱酸性に保たれると、非ヘム鉄が溶け出しやすく吸収されやすい状態になるため、吸収率が向上します。
【おすすめの食品】
- 納豆
- 味噌
- ぬか漬け
例えば、納豆そばや味噌だれのつけそば、ぬか漬けの香の物などがおすすめです。鉄分吸収のサポートだけでなく、全体的な健康にも役立ちます。
(5)そば粉の配合量が多いそばを選ぶ
そばで鉄分を効率よく摂取するには、そば粉の配合量が多いそばを選びましょう。
- 十割そば:そば粉100%で作られたそば
- 九割そば:そば粉90%、つなぎ(小麦粉など)10%で作られたそば
そば粉の割合が多いほど、含まれる鉄分も多くなります。そば粉高配合のそばは香り高く、そばのコシや味をしっかり楽しめるため、食事の満足度も上げることができます。
十割そばについてさらに詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。
3.そばの鉄分吸収を妨げるNG食品
そばに含まれる鉄分の吸収を高める食品がある一方、吸収を妨げる食品もあります。
完全に避ける必要はありませんが、摂取のタイミングを工夫するとよいでしょう。
- タンニンを含む食品
- カルシウムを多く含む食品
- フィチン酸を含む食品
(1)タンニンを含む食品
お茶に含まれるタンニンは、植物性の非ヘム鉄と結合して体内で吸収されにくくするはたらきがあります。また、タンニンに似たポリフェノールのクロロゲン酸を含むコーヒーも同様です。
【NG食品】
- 緑茶
- 紅茶
- ほうじ茶
- コーヒー
完全に避ける必要はありませんが、食後30分〜1時間ほど時間を空けるようにしましょう。食後の飲み物がほしい場合は、そばの栄養が溶け出たそば湯を飲むのもおすすめです。
そば湯についてさらに詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。
▸そば湯を飲む理由とは?そば湯の飲み方・注意点やそば湯の歴史を解説
(2)カルシウムを多く含む食品
カルシウムも鉄分の吸収を阻害するはたらきがあるといわれています。
【NG食品】
- チーズ
- ヨーグルト
- 牛乳
(3)フィチン酸を含む食品
玄米や全粒穀物に豊富に含まれるフィチンも、ミネラルと結合して鉄分の吸収を妨げるはたらきがあるといわれています。
【NG食品】
- 玄米
- 全粒穀物
- ナッツ類
4.鉄分吸収をサポートするおすすめメニュー
最後に、鉄分吸収を意識しながら、そばをさらにおいしく楽しめるおすすめメニューを紹介します。そばにひと工夫加えるだけで栄養価が高まるだけでなく、食べ応えや満足感もアップする食事になります。
- 鴨南蛮そば
- 梅おろしそば
- 月見とろろそば
(1)鴨南蛮そば
鴨肉は鉄分の吸収を助ける動物性たんぱく質が豊富です。また、ネギに含まれるビタミンCが非ヘム鉄の吸収をサポートします。そばと鴨肉、ネギを組み合わせることで、鉄分の効率的な摂取が可能になり、冬の寒い季節にも体を温めながら栄養補給できる食事になります。
(2)梅おろしそば
クエン酸などの有機酸が豊富な梅干しや、ビタミンCが豊富な大根おろしの組み合わせが、鉄分の吸収をさらにサポートします。さらに大根おろしには消化を助ける酵素も含まれており、そばと一緒に食べることで腸内環境を整えながらさっぱりとした味わいを楽しめる一食になります。
(3)月見とろろそば
卵には吸収率の高い動物性たんぱく質が豊富で、そばに含まれる非ヘム鉄の吸収を助けます。また、とろろにはペクチンなどの水溶性食物繊維が含まれ、腸内環境を整える効果があります。さらに、たっぷりの海苔をトッピングすれば風味が増し、食物繊維もプラスできるため、よりヘルシーで満足感のあるメニューになります。
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