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コラム
そばのおいしさは茹で方で決まる!そばの種類別に茹で方を解説

この記事の監修者

有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
「自宅でそばをおいしく茹でるのって難しい」
「そばの種類によって茹で方は変わるの?」
そばは茹で方ひとつで出来上がりが大きく左右されてしまう食べ物です。おいしいそばをご自宅で食べるには、そばの種類・タイプにあわせて茹でることが大事なポイントです。
そこでこの記事では、そばの基本の茹で方をもとにそばの種類・タイプ別においしく茹でるコツを解説します。
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目次
1.そばの基本的な茹で方
まずはそばの基本的な茹で方をおさえておきましょう。
- 【必要なもの】
- 鍋(大きめ)
- ザル
- ボウル(水洗い用/面水)
- 氷水(締め用/化粧水)
- 長い箸
- 【茹で方】
- ①たっぷりのお湯を沸かす
- ②お湯が沸騰したら、そばを指でほぐしながら鍋に投入する
- ③そば同士がくっつかないように、箸でそばを鍋底から浮き上がらせるように優しくかきまわす
- ④強火のまま指定の時間より少し短めに茹でる
- ⑤茹で上がったらすぐにざるにあげる
- ⑥冷たい流水で揉み洗い(面水)し、表面のぬめり(でんぷん)を取る
- ⑦氷水(化粧水)にさっと入れて締める
- ⑧水気をよく切って盛り付ける
そばを美味しく茹でるには、そば100gに対して1~2リットルのお湯を用意します。
沸騰したお湯にほぐしながら入れ、麺がくっつかないようやさしく混ぜます。吹きこぼれそうなときは差し水ではなく火力を弱めて調整し、沸騰を保ちながら芯まで火を通します。
茹で時間は袋の表示を基本に、コシを残したい場合はやや短めに。茹で上がったら流水で洗って麺の表面のぬめりを取り、氷水で締めて水気を切ります。
冷たいそばはそのまま盛り付け、温かいそばは締めた後に軽くお湯で温めてから熱い汁をかけます。
2.そば粉の割合別おすすめの茹で方
そばはそば粉の配合量によって味わいや食感だけでなく茹で方も変わります。そばの基本の茹で方をベースに、その性質に合わせて茹でることでもっともよい状態でそばをいただくことができます。
- 十割そばの茹で方のコツ
- 二八そばの茹で方のコツ
(1)十割そばの茹で方のコツ
十割そばはつなぎ(小麦粉など)を使わずに作られているため、茹でる際に非常に切れやすく、くっつきやすいなど少々デリケートな性質があります。
- 【十割そばの茹で方のコツ】
- 多めのお湯を用意する
- 麺同士がくっつかないように優しく箸でほぐす
- 指定の時間より若干短めに茹でる
そば粉の割合が多いと茹でる際にとろみが出やすいので、通常よりも多めのお湯を準備しておきましょう。麺をほぐしながら鍋に入れ、お湯の中でそば同士がくっつかないように箸でやさしくほぐすのがポイントです。
また、十割そばを茹でた際の茹で汁は栄養たっぷりです。全て流さず、「そば湯」としてお楽しみください。
そば湯の飲み方や栄養について知りたい方は次の記事もご覧ください。
知っておきたいそばのマナー|粋な食べ方やそば湯の飲み方を解説
そば湯を飲む理由とは?そば湯の飲み方・注意点やそば湯の歴史を解説
(2)二八そばの茹で方のコツ
二八そばは十割そばより切れにくいため茹でる際も扱いやすく、短時間で茹で上がるという特徴があります。
二八そばの茹で方自体に十割そばとの違いはほぼありませんが、茹でる前・茹でた後においしく食べるためのコツがあります。
- 【二八そばの茹で方のコツ】
- 締める用の冷水を予め用意しておく
- 茹で上がった後は冷たい流水でしっかり洗う
二八そばの茹で時間は短いため、茹でる前に締める用の氷水を用意しておきましょう。また、茹で上がり後につなぎの小麦粉由来のでんぷんによるぬめりが表面に出やすいため、十割そばよりも丁寧にしっかりと冷たい流水で洗い流すことがおいしくいただくポイントです。
十割そばと二八そばの違いについてさらに詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。
3.そばのタイプ別おすすめの茹で方
そばはそば粉の配合量だけでなくタイプによっても茹で方が異なってきます。タイプに合わせた茹で方をすることで自宅でも手軽においしいそばをいただくことができます。
- 生そばの茹で方のコツ
- 乾麺の茹で方のコツ
- 冷凍麺の茹で方のコツ
(1)生そばの茹で方のコツ
生そばの調理に当たっての最大のポイントは温度とスピードです。水分量が多い生そばは加熱・冷却による変化が早いため、繊細に扱う必要があります。
- 【生そばの茹で方のコツ】
- 常温に戻しておく(茹でる1時間ほど前)
- 氷水(化粧水)は最初に用意しておく
- 茹でる前に麺を優しくほぐしておく
まず、麺の切れ防止や均一な茹で上がりのために茹でる前に冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。また、生そばは茹で時間も短く、茹で上がったら素早く冷水・流水で締め、 氷水でしっかり冷やしましょう。
生そばの茹で方についてはこちらも参考にしてみてください。
【知らなきゃ損!】そばを本当に美味しく食べるコツを京都のそば職人が解説!【蕎麦】【コツ】
(2)乾麺の茹で方のコツ
そばを乾燥させた乾麺は、長期保存ができ、価格もリーズナブルなものが多い人気のそばです。種類も豊富さや手軽さが魅力ですが上手に茹でないと風味や食感が落ちてしまうため、次の3つコツをおさえて作りましょう。
- 【乾麺の茹で方のコツ】
- 麺の長さに合わせたサイズの鍋とお湯で茹でる
- 鍋に麺を入れた直後は触らずに鍋に蓋をする
- 麺がほぐれるまで箸を入れない
- 茹でる前に水で戻さない
乾麺を入れたときにお湯から一部がはみ出たりしないように、一度で麺全体が入るサイズの 鍋とお湯を用意しましょう。沸騰したお湯に麺を入れた後は蓋をし、少し経って麺がほぐれるてから箸を入れることで麺同士のくっつきや加熱ムラの発生を防ぐことができます。
乾麺を茹でる前に水につける方法もありますが、そばの風味やコシが損なわれてしまうためおすすめできません。
乾麺の上手な茹で方についてはYouTubeでも解説しています。
【これだけは知っておきたい】京都そば職人が乾麺を美味しく食べるコツを紹介!〜ざるそば編〜【京都蕎麦】【茹で方】
(3)冷凍麺の茹で方のコツ
ゆでたてのおいしさを急速凍結して作られた冷凍麺は、3種類の麺タイプの中で最も作りやすいタイプのそばです。手軽ですが、茹で方を間違えるとべちゃっとした食感になってしまうため、次の4つのポイントをおさえて茹でましょう。
- 【冷凍麺の茹で方のコツ】
- たっぷりのお湯を用意する
- 1つずつ調理する
- 冷凍の状態のまま入れる
- 鍋を動かしてお湯の温度を均一にする
冷凍麺を沸騰したお湯に入れると湯温が一気に下がり、再沸騰に時間がかかってしまいます。そのため1つずつ調理しましょう。沸騰したお湯の中に冷凍のまま麺を入れた後は、鍋をかるく揺り動かしてお湯の熱を均一に行き渡らせます。あとは自然にほぐれるようにゆっくり箸でかき混ぜましょう。
そばの違いについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
そばの乾麺・生麺・冷凍麺の特徴や食感、栄養価の違いを徹底解説
本格そばなら京都有喜屋のそばをご賞味ください
この記事では、そばの種類やタイプ別においしく作る茹で方のコツを解説しました。それぞれのそばの特徴に合わせて茹でることで、そばの香り・風味・旨味を最大限に引き出すことができます。
有喜屋では、熟練の職人が心を込めて打ったそばと折々の季節に合わせた多彩なメニューでお待ちしています。また、オンラインストアでは手軽にご自宅お店の味を楽しめる各種乾麺も販売しています。