そばの栄養と効果を解説｜そばは健康・ダイエットによいって本当？

この記事の監修者

有喜屋 三代目店主

三嶋吉晴

有喜屋（うきや）三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。

詳しくはこちら

そばは細く長い形状から「長寿や健康によい」、切れやすいことから「悪縁を断ち切る」と言われ、縁起のよい食べ物として日本人に馴染み深い食べ物です。そばは縁起物であるだけでなく栄養面でも優れており、効能面からも長寿や健康に一役買う食べ物でもあります。

そこで本記事では、そばに含まれる栄養素とその健康・美容効果の解説と合わせて、ダイエットの面からもその効果を紹介していきます。

1. そばは栄養の宝庫｜そばに含まれる栄養素と効果

そばは栄養豊富な食材です。同じ主食となる白米と比べても栄養価の面で大きな違いがあります。特に健康や美容にも大きく影響を与える重要な7つの栄養と効果を紹介します。

(参考：日本食品分析表八訂 等)

（1）生活習慣病を予防するルチン

そばは穀類の中で唯一、ポリフェノールの一種であるルチンを含む食べ物です。

ルチンは高い抗酸化作用を持ち、毛細血管を強くする働きがあります。また、血液をサラサラにサポートする効果や、インスリンの分泌を促進させる効果、脳細胞の酸化を防ぎ活性化させる効果もあるといわれています。

そばは、血圧を下げたい方や、動脈硬化・脳卒中・糖尿病などの生活習慣病を予防したい方、記憶力を高く維持したい方にもおすすめの食べ物です。

（2）疲労回復に役立つビタミンB1・肌を健やかに保つビタミンB2

そばはビタミンB群が多く含まれる食べ物です。中でも、炭水化物からのエネルギー産生をサポートするビタミンB1とビタミンB2が豊富です。ビタミンB1の疲労回復効果は、筋肉だけでなく、脳、神経、肝臓・腎臓などの臓器にも影響するという報告がされています。ビタミンB2は、「美容ビタミン」ともいわれており、肌や粘膜を正常に保つ働きや、エネルギーの代謝に働きがあります。

（3）高血圧予防・対策に役立つカリウム

そばには細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きを持つカリウムが豊富です。腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して尿中への排泄を促す働きにより血圧を下げる効果があるため、高血圧の予防・対策にもおすすめの栄養素です。

ちなみに、カリウムは水溶性であるため、そばを茹でたそば湯にも多く含まれています。高血圧が気になる方は、そば湯もあわせていただくとよいでしょう。

（4）健康の立役者（補酵素）マグネシウム

そばはマグネシウムも豊富です。300種類以上の酵素を活性化する働きを持つ補酵素となり、エネルギー産生機構に深く関わっているほか、遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与しています。また、健康な歯と骨の形成や、血管拡張による血圧を下げる効果もある栄養素です。

（5）糖質の代謝を促進するリン

そばには骨や歯を丈夫にしたり、細胞やDNAを構成するリンも多く含まれています。他にも、リンは神経や筋肉の機能を正常に保つ働きも担っています。また、ビタミンB1やビタミンB2と結合して補酵素となり、糖質の代謝を促進する働きもあります。

（6）筋肉の維持や修復に欠かせないたんぱく質

そばは筋肉の維持や修復に欠かせない必須アミノ酸をバランスよく含む食べ物でもあります。また、体の機能の調整に不可欠なホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質などの材料にもなります。そばは良質なたんぱく質を多く含み、低カロリーな食材でもあるため、健康やダイエットの際に大いに役立ちます。

（7）すっきりお通じをサポートする食物繊維

そばには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。そばの実の外側の層に多く含まれる水溶性食物繊維は、腸内でコレステロールを吸収・排出をサポートしコレステロール値を下げる働きや、消化を遅らせて血糖値を調整する働き、大腸がん予防効果があります。そばの実の殻部分に多く含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増やしてスムーズなお通じをサポートしてくれる栄養素です。

食物繊維を多く含むそばには、心臓病、糖尿病、大腸がんなどの慢性疾患のリスクの軽減の他、体重や満腹感を調整する働きもあるため、ダイエットに励んでいる方にもおすすめです。

2. そばの栄養価が高い理由

そばの栄養価が高いのは、成長すると芽になる胚芽部や皮の下にある甘皮（身を包む皮）をそのままひいて粉にしたそば粉を使って作られているためです。発芽で最も重要な役割を担う部分のため、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。

米や小麦は精製によって胚芽や甘皮を取り除くのに、そばではそのまま使う理由は、単純にそばの実の中心に胚芽部があり除去できないからです。精製することなくそのままそばの実を丸ごと使うことで、そばは米や小麦よりもそばは栄養価の高い食べ物となっています。

3. そばはダイエットにも最適

そばは、生活習慣病などの病気の予防だけでなく、ダイエットにも最適な食べ物です。

• 低GI
• 高たんぱく
• ダイエット中に不足しがちな栄養素が豊富

（1）低GI

そばは、主食となる食べ物の中でも特にGI値の低い食べ物です。

GI値が高い食べ物を食べると、血糖値が急激に上がりインスリンの分泌を促します。インスリンには、血糖値を下げる働きの他に、脂肪の分解を抑制する働きや脂肪を作る働きがあるため、高GI食品はダイエット中にはできるだけ避けたい食べ物です。

（2）高たんぱく

ダイエット中は食事量を控え、カロリーや糖質の摂取をおさえると同時に、健康を損なわないために良質なたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。

そばは主食の中でも特にたんぱく質が豊富であり、たんぱく質の”質”も優れています。食品中の必須アミノ酸の含有比率を評価するアミノ酸スコアを食品別にみると、そばは一番粉で80、二番粉が90、挽きぐるみでは92です。白米は65、小麦は41となっていることから、質のよいたんぱく質が摂れることがわかります。

（3）ダイエット中に不足しがちな栄養素が豊富

そばには「美容ビタミン」と言われるビタミンB2、疲労回復を促すビタミンB1、さらに健康維持に欠かせないマグネシウムやカリウム、自然なお通じを促す食物繊維などが豊富に含まれています。

ダイエット中の健康を守る栄養素が豊富なので、上手に取り入れて無理のないダイエットをしましょう。

4. より健康的にそばをいただく方法

そばに含まれる栄養や効果を理解した上で、より健康的にそばを食べる方法を解説します。

• 十割そばを選ぶ
• 薬味やトッピングでバランスをとる
• つゆをつけすぎない
• そば湯も飲む

（1）十割そばを選ぶ

そば粉の栄養をしっかり摂取するには、そばの栄養が一本一本に詰まっている十割そばを選ぶのがおすすめです。つなぎ（小麦粉や山芋）が入ることでカロリーやGI値等も変わってしまうため、つなぎの入っていない十割そばを選びましょう。

十割そばはそばの栄養を丸ごと取り込めるだけでなく、しっかりした歯ごたえやコシを楽しめるそばです。よく噛む必要があるため、食事量を制限している方にもおすすめです。

十割そばについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
十割そばとは？読み方や魅力・二八そばとの違いを徹底解説！

（2）薬味やトッピングでバランスをとる

栄養が豊富なそばですが、そばだけで必要な栄養を全てまかなえるわけではありません。足りない栄養を同時に取るには、しょうがやごま、ネギなどの薬味や、きのこやわかめなどのトッピングでバランスをとるのがおすすめです。

（3）つゆをつけすぎない

そばつゆには砂糖（糖分）や醤油（塩分）などが多く含まれているため、高血圧や体重が気になる方は特にそばつゆのつけすぎは厳禁です。そばを食べる時はそばつゆはあまりつけないようにしましょう。

また、市販のそばつゆは添加物も気になります。そばつゆを自分で作るのもおすすめです。

（4）そば湯も飲む

そばを茹でたお湯（そば湯）には、そばから溶け出た栄養がたっぷり含まれています。特に、ルチンや食物繊維など積極的に摂りたい水溶性の栄養を取りこぼさないように、そば湯も一緒に飲むようにしましょう。

健康・美容のために｜有喜屋のそばをご賞味ください

有喜屋では、栄養価の高いそばをたっぷり楽しんでいただけるよう、北海道産や京都産など厳選された100％国内産のそば粉を使用し、職人が真心込めて手打ちしたそばをご用意しております。

手打ちそばやにしんそばなど素材を活かしたとっておきのメニューを多数ご用意しております。ぜひ、上質な素材と職人の技で作られた有喜屋の極上のそばを、京都ならではの滋味深く香り高い”おだし”とともにご堪能ください。