COLUMN
コラム
【ふわふわ】卵とじそばの変遷から作り方・コツを京都のそば職人が解説!
この記事の監修者
有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
今回は、約半世紀にわたって変化し続けてきた「卵とじそば」を3つに分けて解説しながら、実際に調理して再現します。
60年前の「卵とじそば」から遡り、現在有喜屋で提供しているオリジナルの「ゆばとじそば」の誕生まで詳しく解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
60年ほど前の「卵とじそば」
- 出汁の温度が高くない状態で出汁をかき混ぜながら卵を鍋に入れる
- 卵を全部入れたら火をつけ、少しずつかき混ぜる
まず、60年前の「卵とじそば」を再現していきます。
卵とじそばを作る上では、出汁の温度が重要になるため、出汁の温度が高くない状態でかき混ぜながら卵を鍋に入れ、卵を全部鍋に入れ終えたら、火にかけていきます。
60年前の「卵とじそば」は、茶碗蒸し風になるのが特徴で、少しずつかき混ぜていき、茶碗蒸し風になったら火を止め、そばの上にかけて完成です。
また、盛り付けの具材は海苔1枚と非常にシンプルになっています。
40年ほど前の「卵とじそば」
- 最初から出汁を強火で沸かす
- かき混ぜた出汁にゆっくり卵を注ぐ
- 鍋から一気に器に移す
次に40年ほど前の「卵とじそば」を再現していきますが、60年前の「卵とじそば」より少し進化して東京風になっているのが特徴です。
まず、出汁を強火にかけて沸騰させ、その間に卵をときます。
出汁が沸騰したら箸でかき混ぜ、かき混ぜた勢いで渦巻いている出汁に卵を注いでいきます。
卵が湯葉のように広がったら一気に引き上げ、器に盛り付けて完成です。
盛り付け具材は京かまぼこ、海苔、京水菜です。
有喜屋オリジナルの「ゆばとじそば」
- 湯葉のように卵を注ぐ
- 卵を入れた瞬間にすぐに器に引き上げる
- 卵と出汁が完全に分離している
最後に40年前の「卵とじそば」よりもさらに進化した、有喜屋オリジナルの「ゆばとじそば」を作っていきます。
まず、出汁を強火にかけて沸騰させ、その間に卵をときます。
出汁が沸騰したら箸でかき混ぜ、卵を出汁に注ぎ、卵が湯葉のように浮いてきたらすぐに火を止めて器に移します。
卵と出汁が完全に分離していることが美味しさの秘訣になります。
最後に具材を盛り付けて完成です。
盛り付け具材は湯葉専門店の湯葉、海苔、京かまぼこ、千鳥人参、京水菜と、具材にも非常にこだわっています。
まとめ
今回は60年前の「卵じそば」から遡って、現在有喜屋で提供している最新「ゆばとじそば」をご紹介しました。
有喜屋の「ゆばとじそば」は、作り方や具材にも一工夫しているので出汁も大変美味しく、卵もふわふわな仕上がりになっています。
「ゆばとじそば」は有喜屋全店舗でご提供していますので、ぜひご賞味ください。