
COLUMN
コラム
そばのGI値は低い?うどん・白米との違いと賢い食べ方を解説

この記事の監修者

有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
そばは主食の中でも低GI食品の代表格ともいえる食べ物です。健康や美容のためにそばを食べているという方も増えていますが、そばのGI値の低さが健康や美容にどのように関係しているか実はよくわかっていないという方も少なくありません。
そこでこの記事では、白米やうどんとそばのGI値の違いの解説と合わせて、低GI食品であるそばを食べるメリットについて紹介します。また、おすすめの食べ方を紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
1.そもそもGI値とは
GI値(グリセミック・インデックス)とは食品が血糖値に与える影響を示す指標です。GI値が高い食品ほど食べた後の血糖値が急激に上昇し、GI値が低いほど緩やかになります。
数値 | 特徴 | |
高GI食品 | 70以上 | 食後の血糖値を急激に上昇させ、インスリンの過剰分泌を促進する可能性が高い |
中GI食品 | 56~69 | 食後の血糖値の上昇が中程度 |
低GI食品 | 55以下 | 食後の血糖値の上昇が緩やかで、インスリンの過剰分泌を抑制するとされる |
2.そばのGI値はどのくらい?なぜ低い?
次にそばのGI値と、そばのGI値が低い理由をみていきましょう。
- そばのGI値
- そばのGI値が低い3つの理由
(1)そばのGI値
そばのGI値は54です。
日本人の主食となる食べ物として米や食パン、うどん、ラーメンなどがありますが、これらは軒並み食後の血糖値を急激に上げる高GI食品です。太りにくいといわれるパスタもGI値65の中GI食品となっています。
食品名 | GI値 |
そば | 54 |
白米 | 95 |
食パン | 95 |
うどん | 85 |
インスタントラーメン | 75 |
パスタ | 65 |
出典:週刊現代【糖質制限の新常識】日本人は「パン」と「バナナ」を食べてはダメ!
(2)そばのGI値が低い3つの理由
そばのGI値が低い理由として、次の3つが挙げられます。
- 食物繊維が豊富
- 良質なたんぱく質と良質なでんぷん(炭水化物)が豊富
- ルチンやビタミンが豊富
そばに含まれる豊富な水溶性の食物繊維は、体内への糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑えるとされています。
また、そばに含まれるたんぱく質やでんぷんも低GIである理由の1つです。たんぱく質を先に食べると消化管ホルモンのインクレチンの分泌が促進されて胃の運動が抑えられ、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。また、良質なでんぷん(炭水化物)も腸でゆっくり吸収されるため血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
さらに、そばには血糖値の上昇抑制作用やインスリン感受性の改善が期待できるポリフェノールの一種であるルチン、膵臓や肝臓の機能維持に関与するビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB3(ナイアシン)などのビタミンB群も豊富に含まれています。
そばには血糖値上昇を緩やかにするはたらきを持つ成分が豊富に含まれているため、主食の中でも特にGI値が低い食品となっています。
そばに含まれるルチンついて詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
そばでルチンを効率摂取!ルチンの特徴とおすすめの食べ方
2.低GI食品であるそばを食べるメリット
GI値の低い主食を選ぶと、一般的に食後血糖値の上昇が緩やかになると報告されています。食後の血糖値の急上昇を抑えることは、脂肪の蓄積を防ぐとされており、血糖値の急激な変動を避けたい方の主食として、そばは取り入れやすい選択肢です。
また、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることで、インスリンの過剰な分泌を防ぎ、膵臓への負担を軽減します。
ただし体重管理は総摂取エネルギーや生活習慣全体で考える必要があります。摂取エネルギーや運動量が同じであれば、主食選択だけで体重が変化するわけではありません。そばを上手に取り入れつつ、総合的な生活習慣を見直すことが大切です。
3.より健康的な食事を|低GI食品そばを食べる際の4つのポイント
インスリンは血糖値の調節に欠かせないホルモンであり、そのはたらきを正常に保つことが健康維持・美容に繋がります。低GI食品のそばはこのインスリンコントロール(インスリンの分泌量やはたらきを適切に保つこと)に役立つ食べ物です。以下の4つのポイントをおさえて食べることをおすすめします。
- そば粉の割合が多いそばを選ぶ
- 適量を食べる
- 薬味や具材でバランスを良くする
- そば湯も飲む
(1)そば粉の割合が多いそばを選ぶ
そばに占めるそば粉のみで作られた十割そばを選びましょう。
二八そばなどつなぎ(小麦粉・山芋など)が含まれているとその分摂取できるそばの栄養も少なくなり、つなぎによってGI値も上がっててしまう可能性があります。ダイエットや健康のためには100%そばで打った十割そばを選ぶと良いでしょう。
十割そばについて詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
十割そばとは?読み方や魅力・二八そばとの違いを徹底解説!
(2)適量を食べる
低GI食品であっても食べすぎは血糖値上昇のもととなるため、適量を食べるようにしましょう。
そばの適量は、乾麺の場合は約100g、茹で麺の場合は約250gです。ダイエット目的の場合は1食70〜80g程度にするとよいでしょう。
(3)薬味・具材でバランスを良くする
そばにはインスリンコントロールに役立つ栄養が豊富に含まれていますが、さらに栄養バランスを整えるために具材や薬味も工夫するようにしましょう。
- 【おすすめの薬味・具材】
- 薬味(しょうが、わさび、唐辛子など)
- 野菜(ねぎ、ほうれん草、小松菜、人参など)
- 玉子
- ささみ・鶏むね肉
- 海藻類(海苔、わかめなど)
- キノコ類(しいたけ、マイタケ、しめじなど)
えびのてんぷらや油揚げ、餅などの具材はGI値を上げてしまうのでなるべく避けましょう。また、そばつゆは糖分や塩分が多いため、つけすぎずに食べるのも大事なポイントです。
(4)そば湯も飲む
食後にそば湯も一緒に飲みましょう。
そばを茹でたお湯には、インスリン感受性の改善や糖尿病合併症の予防に役立つ可能性のあるルチンや、糖の吸収を穏やかにする作用があるのある水溶性食物繊維など水溶性のそばの栄養分が溶けこんでいます。そば湯を飲むこと自体が直接インスリン分泌に大きく関与するわけではありませんが、体に良い影響を与える栄養が入っているそば湯もあわせて飲むことで栄養を余すことなく得ることができます。
そば湯について詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください
そば湯を飲む理由とは?そば湯の飲み方・注意点やそば湯の歴史を解説
有喜屋でおいしく健康・美容に良いそばを食べよう
この記事では、そばのGI値やそばのGI値が低い理由、低GIのそばを食べることで得られるメリットに加え、より健康的にそばを食べる際の4つのポイントについて解説しました。
有喜屋では職人が真心込めて手打ちした各種そばをご用意しております。京都ならではのおいしいおそばと上品なおだしが織りなす洗練された味をお楽しみください。またオンラインショップでもご自宅で手軽に食べられるそばも豊富に取り揃えています。低GI値のそばを生活に取り入れたい方はぜひお買い求めください。